MRってどんな仕事?

MRという仕事は一言でいうと、製薬会社の営業マンです。

MRが何の略かと言うと、
”Medical Representative”と呼ばれています。

日本語では医薬情報提供者という堅苦しい肩書きに訳されていますが、
業務内容は自社品を売るための営業です。

 

自社の薬をセールスする訳ですが、セールスする相手は患者さんではなくお医者さんになります。

 

基本的に医薬品にはクリニックや病院で医師に診断された上で処方される医療用医薬品
町の薬局などで医師の診断や処方箋がなくても簡単に手に入るOTC

の2つがあります。

 

つまり、MRが取り扱う薬とは医師に使ってもらう医療用医薬品になります。

 

もしかするとあなたもこのMRという人を見たことがあるかもしれません。

病院やクリニックで診察開始前か終了頃になるとぞろぞろと集まって医師への面会をしようとするスーツ姿の人たちがそのMRです。

 

最近は面会をアポイント制にしている医療機関も多いので昔ほどではありませんが、
多いと10社近くのMRがクリニックに押し寄せるので、
あなたも異様な雰囲気を感じることもあったのではないでしょうか。

 

MRはそのようにして医師に面会をし、自社の製品をセールスします。

 

他業種のセールスマンとMRが決定的に異なるのが、

①価格交渉は禁じられている、
②製品を直に持っていない、

ということです。

 

医薬品、とりわけ医療用医薬品は生命関連商品という特性から、
倫理観を持って販売される必要があります。

 

①の価格交渉が禁じられている背景ですが、過去には製薬会社のMRが価格交渉を行っていました。

 

しかしこのような事態が横行していたのです。

そもそも医師は処方するお薬を買って、処方した分の薬価(国が定めた薬の値段)を国に請求できます。

 

薬価は国内で統一されている共通の値段です。

しかし、もし薬を買うときに薬価よりも安い値段で購入できたら??

薬価(国に請求)ー薬剤購入費= ???

 

この???を薬価差益と呼びます。

 

この差益を医師に手厚く提供すること、すなわち薬剤購入費を低くすることで製薬会社は自社品の処方促進を図っていたのです。

 

例えば、あなたが風邪を引いたとします。

A社の抗生剤は薬価は1錠100円で、製薬会社からの購入代金は1錠80円
B社の抗生剤は薬価は1錠130円で、製薬会社からの購入代金は1錠100円

効き目はA社もB社も大差なく同じようなものだとします。

あなたが国民健康保険に加入しているならば薬剤負担は3割ですから、
A社抗生剤なら30円B社製品なら39円を支払うことになります。

 

普通に考えれば、あなたの負担も国の医療費負担なども諸々考えればA社製品を処方すべきです。

しかし、医療機関によっては薬価差益が30円とA社より大きいB社製品を使う…

 

そんなことを止める理由もあり、製薬会社に医療機関との価格交渉をさせないようにしたのです。

 

上の例はAもBも同じような薬効だから良いものの、
薬価の安いA社製品が薬効的にも優れていたのに薬価差益のためにB社製品が処方されて健康被害に準ずるようなことが起きては絶対にいけません。

 

 

「じゃあ、薬価の値段で購入するようにすればいいじゃない?」

その言い分はごもっともです。

 

ただ、そこは触れられない要素であり、
その分派手な製薬会社に価格交渉をさせないという大きな改革との引き換えなのかもしれません。

大きな悪事をさせないために、細かいところは見逃すような印象はありますね 笑

 

また、添付行為というものも横行していました。

これは1万錠購入してくれたら、2万錠添付するというめちゃくちゃなサービスです。

 

医師は2万錠分をタダでもらい、それを処方して薬価を国に請求できる訳ですから、
ある意味薬価差益で儲ける先ほどのケースよりもタチが悪い仕組みです。

 

だったら、薬価下げろよ、というような話ですよね。

 

結果、MRに医薬品を持たせたら添付してしまうからダメ…という判断が下された訳ですね。

 

つまり、『安いから』、『多めにオマケしてくれたから』といった理由で処方がされてはいけないという厳格な原則のもと、
今のMRは価格交渉をしてはいけないし、添付出来る製品を持っていてはいけない訳です。

 

 

ただ、会社からのノルマは課せられています。

不思議ですよね、セールスと倫理観を混在させている業界なんて。

少し長くなったのでMRのノルマに関しては別の記事にてご紹介します。

 

まとめると、MRとは

医療機関(病院、クリニック)に訪問して医師に自社の薬を紹介して処方をしてもらう営業マンであります。

価格交渉や添付行為は出来ず、生命関連商品の倫理観で仕事をするがノルマも課せられた資格制の業種である